ビデオ通話を通して、医師のカウンセリング相談が受けられるオンライン・カウンセリングサービスのWEBアプリ開発を担当しました。利用者のスケジュールに合わせて予約日時が簡単に決まる利便性の高いサービス設計で、忙しい現代人がカウンセリングをより身近に感じられるような環境を提供。また、患者に関するデータを一元管理できるため相互の時間やあらゆる手間を省き、病気の早期発見、治療、予防医療に貢献します。
ユーザー向けWEBアプリ/カウンセラー向けWEBアプリ
現在、日本ではメンタルに悩む人々が年々増加しています。しかし、カウンセリングを受けたいと思っても、希望する日時に予約が取れない場合や、遠方であり時間を作ることが難しいといった医療環境の課題があります。
日本ではカウンセリングは主に精神疾患などの「心の病気」を抱えている人々が受けるものという認識が強く、うつ病などの状態になって初めてカウンセリングを受けるケースがほとんどです。一方、他の国では日本以上にカウンセリングが日常生活に浸透しています。アメリカではカウンセリングの敷居が低く、日常生活において定期的にカウンセリングを受けることが、メンタル予防として一般的になっています。
本プロジェクトは、日本でのカウンセリングの認識をより身近なものとし、メンタルケアに対する予防意識を高めることでストレスに関連する精神疾患を事前に防ぐ環境をユーザーに提供することを目的とした背景からスタートしました。
日本企業では、従業員の業務による心理的負荷を軽減するため、メンタルヘルス対策への取り組みが重要な課題となっています。一部の大企業では、一定の労働時間を超えると強制的に産業医面談を行うなどの対策を取っています。
本プロジェクトでは、日本企業に対して福利厚生としてサービスを提供することを目的としたシステム設計を行いました。企業は年間一定額のサービス利用料を支払うことで、従業員は年間10回までのカウンセリングを無料で利用することができます。これにより、従業員は心理的な負担を感じることなく、気軽にカウンセリングを予約することができます。
サービスを利用している企業の従業員は無料でカウンセリングを受けることができます。しかし、従業員が医療施設まで行く時間がない場合や、海外赴任中の従業員が日本の医療機関で診察を受けることが困難な課題があります。
そこで、時間や場所の制限をなくすために、インターネット環境さえあればどこからでも参加できるビデオカウンセリングを導入しました。
ビデオカウンセリングでは、ネット環境が悪い場所でも安定した回線を維持できるように、「Agora」という通信プラットフォームを活用しています。また、カウンセリング開始の1分前にWeb上でビデオカウンセリングのボタンがリフレッシュなしで表示されるように、「WebSocket」という通信規格を活用しています。
これら仕様に応じた適切な設計を行うことで、オンラインカウンセリングに関する懸念点を払拭し、スムーズなビデオカウンセリングを実現しました。
今回、UIデザインフェーズに割く時間が短く、短期間で迅速にデザイン作業を進めていく必要がありました。表層デザイン作業をスムーズに行えるように、1つ前の構造設計の工程で入力項目や入力条件、情報の表示順など可能な範囲で詳細を詰めていきました。
完成形に至る前の検討デザイン案を技術チームに共有していくことで、意思決定を早く行うことができ表層デザイン作業をスムーズ、かつ大きな変更が生じる事なく迅速に進めていくことができました。
また、本アプリではカウンセリング受診に対する「気軽さ」を重要視しているため、オレンジ系の配色と丸みのあるオブジェクトを採用し、視覚的に堅苦しさを感じさせないカジュアルで安心感のある表層デザインを意識しました。
現在はメンタルケアを目的としたビデオカウンセリングを提供しているプラットフォームですが、今後はメンタル分野だけでなくスキンケアや幅広い医療分野に対応したビデオカウンセリングの展開を進めております。
また、情報管理の側面からも様々な医療サービスを一括管理できる仕組みを設計し、将来的には健康な人、医療が必要な人、医療機関・研究開発機関も、すべての人が使用できる一元管理クラウドサービスへの展開を目指しております。
事業設計/MVP開発
Flutter web / Node.js / AWS / MongoDB