近年、デザイナーや開発者から注目を集めているWebflowは、複雑なコーディングなしでビジュアルの整ったWebサイトの構築が可能なプラットフォームです。Webflowは、その柔軟性と創造性から、カスタマイズされたWebサイトを簡単に構築するための新しい可能性を切り拓いてきました。
しかし、どんなに視覚的に魅力的なWebサイトでも、読み込み速度が遅ければ、ユーザーの離脱に繋がりかねません。実際に、Webページの読み込みに3秒以上かかると、40%のユーザーがサイトを離れてしまうと言われています。
このように、「スピード」が成功のカギとなる現代のWebサイトにおいて、パフォーマンスを最適化することは非常に重要と言えます。
今回のブログは、WebflowでWebサイトを構築する際に、どのようにして高パフォーマンスなWebサイトを構築するのかについて解説していきます。
Webflowは、複雑なコーディングをせずとも、美しいビジュアルかつ豊富な表現が可能なツールですが、パフォーマンスにおける課題から、ユーザー体験を損なう可能性もあります。冒頭でも述べたように、今日のスピードが求められるデジタル環境において、「Webサイトの速度」は非常に重要なポイントなのです。
Webflowサイトの速度に関する課題は、複数の要因が組み合わさっていることが多くなっています。以下に例を挙げていきます。
・画像ファイルの容量
画像ファイルを圧縮せずにアップロードすることで、ページの読み込み速度の遅延を招いてしまいます。
・過度なアニメーションやインタラクションの使用
アニメーションやインタラクションはWebサイトを魅力的にする一方で、過剰な使用は、パフォーマンスを大幅に低下させる原因となります。
・サードパーティの統合によるコードの肥大化
サードパーティのスクリプトやプラグインが増えるにつれて、コードが膨らみ、サイトの読み込みが遅くなる場合があります。
・WebflowのCMS機能の非効率的な使用
CMSコレクションの構造が不十分、またはCMSアイテムの過剰な追加は、Webflowのシステムに負荷をかけ、ページの読み込み速度をさらに遅くする場合があります。
ここに挙げたような課題は、サイトの視認性や信頼性に影響を与え、ユーザー体験を損ねてしまう可能性があります。また、読み込み速度の遅延は、バウンス率の増加、ユーザーエンゲージメントの減少など、収益の損失にも繋がりかねません。他にも、Googleなどの主要検索エンジンのランキングでは、サイトの読み込み速度も評価に入るため、SEOの効果にも影響を及ぼします。
前述した課題は、Webflowユーザーにとって、Webサイトでビジネス目標を達成する上で直接的な影響があります。
例えば、オンラインストア、ポートフォリオ、ブログなどを運用している場合、サイトの読み込み速度が遅いと、サイト訪問者はコンテンツに触れる前に離脱してしまう可能性があります。これはビジネスにとって、収益の損失やブランド評価の低下に繋がります。
素早い情報へのアクセスが期待される現代において、それに応えられるか否か、たった数秒がビジネスを大きく左右するのです。
Webflowのページ読み込みの遅延について、根本となる原因を理解し、ターゲットを絞った解決策を実施することで、見た目とパフォーマンスどちらも最適化されたWebサイトを構築することが可能です。そして、それがユーザーエンゲージメントを保ち、収益向上にも繋げることができます。
1 . Webflowの組み込みツールを使用して画像を最適化/圧縮する
Webflowには容量の大きな画像を最適化するための組み込みツールがあります。WebPやAVIFフォーマットに画像を変換することで、JPEGやPNGといった従来のフォーマットよりも圧縮率や品質の向上が図れます。これにより、画像の品質を保ちながらファイルサイズを縮小し、ページの読み込み速度を向上させることができます。
2 . レイジーローディングの実装
レイジーローディングは、画像や動画の読み込みを必要なタイミングで表示させる技術です。もう少し分かりやすく例えると、画面をスクロールし、画像を表示する必要がでた時に、その画像を読み込む技術です。こうすることで、最初にページ全体を読み込まずに済むため、時間を大幅に短縮することができます。この設定は「Element Settings」パネルで確認することができ、新しい画像ではデフォルトで有効になっています。
3 . 非重要なスクリプトの遅延読み込み
必要ないスクリプトの読み込みをメインコンテンツの後に遅らせることで、ページの読み込み速度を大幅に改善できます。 ”defer" や ”async" 属性を使うことで、メインコンテンツが読み込まれた後にスクリプトを読み込むことができます。
4 . ミニファイ(圧縮)の有効化
HTML、CSS、JavaScriptをミニファイする組み込み機能があり、コードから不要な文字を削除してファイルサイズを小さくします。このオプションをサイト設定で有効にすることで、サイトの読み込み時間を短縮することができます。
5 . 使用していないCSSとJavaScriptの削除
不要なスタイルやインタラクションをクリックひとつで削除でき、サイトが必要なコードのみを読み込むことが可能です。ファイルサイズを抑え、コードをシンプルかつ効率的に保つことで、Webサイトの速度とユーザー体験の両方を向上させることができます。
6 . モバイルとデスクトップでの選択的な読み込み
Webflowサイトの最適化を行う際には、コンテンツが表示されるプラットフォームの考慮が必要です。デスクトップビューア専用のカスタムコードがある場合、モバイルデバイスではこれらのスクリプトを削除または無効化することで、スマートフォンなどの小さい画面でのユーザー体験が簡素化され、不必要な読み込み時間を減らせます。また、Googleはモバイル版を基にサイトを評価するため、この最適化は重要なポイントです。
7 . SVGを使用する
画像、ロゴ、アイコン、モーダル、グラフィック、イラストなどのビジュアル要素は、スケーリングに関係なく高い品質を維持できるSVG形式でのエクスポートがおすすめです。これにより、デザインが様々なデバイスやプラットフォームではっきりと表示され、パフォーマンスとビジュアル両方の品質が向上します。
8 . スクリプトの実行を遅延させてページ読み込み時間を改善
スクリプトの実行を数秒遅らせることで、重要なコンテンツの読み込みを優先させ、ページの最初の読み込み時間を改善できます。 ”setTimeout" やメインコンテンツの読み込み後にスクリプトを実行することで、重要度の低いスクリプトがユーザー体験に与える影響を減らすことができます。
9 . Googleタグマネージャーを使ってスクリプトの読み込みを遅延
スクリプトが多く、パフォーマンススコアの低い高度なWebサイトでは、Googleタグマネージャー(GTM)を使用することで、スクリプト実行を効果的に管理し、遅らせることができます。また、カスタムコードが最小限のシンプルなサイトでは、 ”setTimeout” を使ってスクリプトの実行を遅延させる方が、より簡単かつ効果的な可能性もあります。
10 . 特定のページでカスタムコードを適用してパフォーマンスを向上させる
カスタムコードを必要なページにのみ適用し、グローバル設定を使用しないようにすることで、ページ全体で不必要なコード実行が減り、全体的なパフォーマンスが向上します。スクリプトが全てのページで必要な場合のみグローバルコードを使用し、それ以外は特定のページにターゲットを絞ることで、読み込み時間とユーザー体験を向上が見込めます。
ここまで、Webflowで構築するサイトの速度やパフォーマンスを向上させるための、課題やポイントについて解説しました。
画像の最適化や圧縮、遅延読み込みの実装、Webflowの組み込みツールを使用したミニファイ(コード圧縮)により、読み込み時間を大幅に短縮することができます。さらに、スクリプトの実行を管理することで、重要度の低いスクリプトの遅延実行やカスタムコードの選択的適用を行うことができ、サイトの読み込みスピードが向上するだけでなく、スムーズなユーザー体験の提供も実現できます。
これらを活用すれば、Webサイトのパフォーマンス向上、ユーザーエンゲージメントの改善、SEOランキングを向上させながら、魅力なビジュアルと高い機能性を兼ね備えたWebサイトの構築が実現できます。