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DevOpsのスムーズな運用に【Dockerfile】を活用

出典元:

コンテナは、現代のアプリケーション開発やテスト、デプロイの基盤となっています。その中でも、Dockerはコンテナ化プラットフォームとして広く利用されており、その使いやすさの鍵を握るのが、テキストファイルの「Dockerfile」です。

Dockerfileを深く理解することは、DevOpsチームにとって、CI/CDパイプラインの効率化やセキュリティの脆弱性対策、パフォーマンス最適化のために不可欠です。

本ブログでは、Dockerfile誕生の背景や、DevOpsのスムーズな運用における重要性、優良事例について解説します。

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歴史と進化

Dockerは2013年にオープンソースのプロジェクトとして誕生し、アプリケーション開発における「コンテナ化」の概念をもたらしました。その中で「Dockerfile」は、宣言型の指示によってイメージ作成を自動化できるツールとして定着しました。

当初のDockerfileはとてもシンプルで、単一レイヤーの構成のみの対応でした。しかし、時代とともにマルチステージビルドやキャッシュ戦略、セキュリティツールが進化し、より効率的で安全なDockerfileを作成できるようになりました。

コンテナの企業利用が増加する中で、Dockerfileは「開発」「ステージング」「本番環境の統一性」を確保する役割を担い、DevOpsの推進に欠かせない存在へと進化しました。

Dockerfileの誤った使用が招く課題

Dockerfileの誤った使用は、非効率を招くだけでなく、セキュリティリスクにも繋がりかねません。また、DevOpsの基本である「自動化」「効率化」「共同作業」を損なう要因となり得ます。以下に具体的な課題を挙げます。

・肥大化したイメージ

最適化されていないDockerfileは、不要なデータを含む大きなイメージを作成し、デプロイの遅延やストレージの無駄を引き起こします。

・非効率なビルド

構造が最適でないと、不要なビルドが発生し、CI/CDパイプラインの実行時間が長くなります。

・セキュリティの脆弱性

古いベースイメージの使用や依存関係の管理ミスにより、深刻なセキュリティリスクが生じる可能性があります。

・チーム間の一貫性

標準化されたプロセスがないと、Dockerfileの品質の統一性を確保できません。

Dockerfileとは?

Dockerfileは、Dockerがイメージをビルドするために使用する、テキストベースのスクリプトです。これにより、ベースとなるOSやアプリケーションの依存関係、環境変数、実行時のコマンドなどが定義されます。主な命令は以下のとおりです。

・FROM:ベースイメージを指定(例:ubuntu:20.04)

・RUN:ビルドプロセス中にシェルコマンドを実行

・COPY/ADD:ファイルをイメージ内にコピー

・CMD/ENTRYPOINT:コンテナのデフォルトの動作を定義

・EXPOSE:コンテナが使用するポートを宣言

Dockerfileの重要性について、特にDevOpsの観点から見ると以下が挙げられます。

・ビルドプロセスの自動化:CI/CDパイプライン内でのイメージ作成の自動化

・一貫性の確保:開発の各段階で同一の環境を保証

・スケーラビリティ:マイクロサービスやKubernetesなどのコンテナ管理プラットフォームをサポート

実際の活用例

・継続的インテグレーション/デプロイメント(CI/CD)

Dockerfileは、イメージのビルドを自動化し、CI/CDパイプラインを効率化します。例えば、JenkinsやGitHub Actionsがイメージをビルドしてテスト後、レジストリにプッシュします。継続的デプロイメント(CD)では、これらのイメージが取り出され、サービスを中断せずに実行されます。

・マイクロサービス開発

マイクロサービスアーキテクチャでは、Dockerfileを使って、独立して更新/デプロイできる軽量でサービス特化型のイメージを作成します。

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・テスト環境

Dockerfileを使うことで、開発者はローカル環境で本番環境を再現できます。そのため、テストの精度が向上し、デプロイ時の予期せぬ問題を減らすことができます。

・ハイブリッドクラウドデプロイメント

Dockerfileを使用することで、アプリケーションはオンプレミスやクラウド環境でも互換性の問題なく簡単にデプロイ可能です。

Dockerfileの最適な使用方法

・最小限のベースイメージを選ぶ

ベースイメージは、Alpineのように軽量なものを選ぶと、イメージのサイズを最小限に抑え、潜在的なセキュリティリスクを減らすことができます。軽量なイメージはビルド時間を短縮し、セキュリティを向上させ、デプロイ時のリソース消費も少なく済みます。

・マルチステージビルドを活用する

ビルド環境と実行環境を別々に最適化することで、軽量なイメージを作成します。マルチステージビルドを使うことで、ビルド時に不要な依存関係を削除し、実行時に必要なものだけを残すことができます。

# Build stage
FROM golang:1.20 AS builder
WORKDIR /app
COPY . .
RUN go build -o main .

# Runtime stage
FROM alpine:3.18
COPY --from=builder /app/main /usr/local/bin/main
CMD ["main"]

・ビルドキャッシュを最適化する

頻繁に変更される命令は、Dockerfileの最後に配置し、キャッシュ効率を最大限に活用します。また、依存関係のインストール後にCOPY命令を記述します。

〈良い例〉

COPY . .
RUN apt-get update && apt-get install -y python3

〈悪い例〉

RUN apt-get update && apt-get install -y python3
COPY . .

・.dockerignoreを使用する

ビルドコンテキストから不要なファイルやディレクトリを除外し、イメージサイズを最小化し、ビルドを高速化します。そのため、ログや一時的なファイルなどを無視する.dockerignoreファイルを作成します。

*.log
temp/
node_modules/

・イメージのレイヤーを最小化する

コマンドを1つの命令にまとめて、Dockerイメージのレイヤー数を減らします。

RUN apt-get update && \
    apt-get install -y curl && \
    apt-get clean

・ルートユーザーを避ける

コンテナは非ルートユーザーとして実行し、リスクを最小限に抑えます。これにより、不正アクセスが発生しても、攻撃者がコンテナを完全に制御することを防げます。

RUN adduser -D appuser
USER appuser

・LABELでメタデータを設定する

バージョン情報、管理者の詳細、ビルド情報などの意味のあるメタデータを追加し、トラッキングやドキュメント作成を簡単にします。

LABEL maintainer="devops@example.com" version="1.0"

・機密データを保護する

Dockerfileに秘密情報をハードコーディングすることは避け、環境変数やAWS Secrets Manager、Azure Key Vaultなどの秘密管理ソリューションを使用して機密データを扱います。

・ヘルスチェックを追加する

HEALTHCHECK命令を定義して、コンテナの健康状態を監視し、適切な運用管理を行います。

HEALTHCHECK --interval=30s CMD curl -f http://localhost/health || exit 1

・ベースイメージを定期的に更新する

ベースイメージを定期的に更新して脆弱性を修正します。また、TrivyやSnykなどのツールを使用して脆弱性スキャンを自動化することができます。

・特定のイメージバージョンを使用する

ベースイメージに「latest」タグの使用は避け、予期しない更新を防ぐために正確なバージョンを指定して、一貫性を確保します。

FROM python:3.9-slim

課題と制限

・大規模プロジェクトの管理の複雑さ

巨大なアプリケーションで複数のDockerfileを扱うと、管理が煩雑になります。

・セキュリティの脆弱性

依存関係やベースイメージに脆弱性が残ることがあり、継続的なスキャンが必要です。

・時間の最適化

キャッシュやビルド性能を最適化するには、高度な専門知識が求められる場合が多くなっています。

今後の展望

DevOpsのワークフローにおいて、コンテナ化がますます重要になっていく中で、Dockerfileの役割はさらに拡大すると予想されています。以下に予想をまとめていきます。

・セキュリティの重視

自動脆弱性スキャンツールの導入が進み、CI/CDパイプラインに直接統合されるようになります。

・宣言的なイメージ作成

BuildKitなどのツールが、キャッシュやレイヤリング、並列処理の改善により、Dockerfileの機能を強化します。

・サステナビリティ重視

環境への関心が高まる中で、開発者はリソース消費とコスト削減を目的に、より軽量なイメージを優先するようになります。

・Kubernetesとの統合強化

DockerfileのKubernetes特化型最適化により、オーケストレーションやスケーリングがより効率的になります。

まとめ

Dockerfileの最適な使用方法を理解することは、ビルドプロセス、セキュリティ、デプロイメントの一貫性の最適化を目指すDevOpsチームにとって非常に重要です。マルチステージビルドや非rootユーザー設定を活用することで、軽量で効率的、かつセキュアでスケーラブルなコンテナイメージを作成することができます。

Dockerfileの技術が進化する中で、DevOpsエンジニアにはその知識のアップデートが求められるようになるでしょう。コンテナ化されたアプリケーションのデリバリーが進む中、アプリケーション開発においては、細部まで注意を払い、最適化された運用が不可欠です。

参考/引用元サイト

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DevOpsエンジニア

この記事を書いた人

Thomas Joseph

DevOpsエンジニア

継続的改善とプロセスの合理化により、シームレスなソフトウェアデリバリーを実現します。また、コラボレーションと自動化に重点を置き、技術要件とビジネス目標を繋げていきます。

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