コンピュータの進化とともに、プログラミング言語も進化してきました。
その中でも、日本人が開発したプログラミング言語として有名なのが「Ruby」です。
今回はRubyについて、特徴や人気の理由、その他のプログラミング言語や技術との関係性などを解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
Ruby(ルビー)とは、日本のソフトウェア技術者である、まつもとゆきひろ氏(通称:Matz)によって開発されたプログラミング言語です。
Rubyは、開発者のまつもと氏が好きだった「Perl」、「Smalltalk」、「Ada」、「Lisp」といったプログラミグ言語の長所を組み合わせて開発されたと言われており、シンプルで読みやすい構文、豊富な機能、オブジェクト指向による柔軟性といった特徴を持つ言語です。
また、Rubyは国際規格である「国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)」に、日本発のプログラミング言語として初めて承認された言語としても有名です。
ちなみにRubyという名前の由来は、プログラミング言語の「Perl」が、6月の誕生石であるPearl(パール=真珠)と同じ発音で、「Perlに続く言語」という意味で7月の誕生石であるRuby(ルビー)と名付けられたと言われています。
Rubyの生みの親であるまつもと氏は、言語仕様策定の際に「ストレスなくプログラムを楽しめること」に重点を置き、開発を進めました。
PerlやPythonよりも強力で、よりオブジェクト指向を重視したRubyでは、プログラムすべてがオブジェクトとして扱われます。これにより、他の言語ではオブジェクトではない部分も、Rubyではオブジェクトとして扱われるため、柔軟性や汎用性が高まります。
またRubyは、シンプルで読み書きしやすい構文が特徴です。可読性が高いため、プログラムの変更やバグの特定を迅速に行えるだけでなく、習得の難易度も低く、プログラミング初心者でも取りかかりやすい言語だと言われています。
プログラミング言語は200〜300あると言われていますが、その中でもRubyは、プログラミング言語の人気ランキングを提供するTOIBE Indexにおいて、2024年4月時点で13位にランクインしており、世界的にも人気のある言語です。ちなみに、1年前の2023年4月時点では、18位だったため、人気が上昇していることも読み取れます。そんなRubyの人気の理由を挙げていきます。
・比較的短いコードでの記述
前章の特徴でも述べた通り、Rubyはシンプルで読みやすい構文になっています。そのため、他のプログラミング言語よりもコード記述が短くて済むことも多く、開発スピードの向上も見込めます。
・豊富なライブラリ
Rubyには豊富なライブラリ(よく使用されるコードや機能を簡単にまとめたもの)があります。これによって、よく使う機能を毎回一から開発する必要がなくなり、開発効率を向上させることが可能です。
・様々なOS上で動作する
Rubyはプラットフォームや環境に左右されにくく、様々なオペレーティングシステム(OS)上で動作します。これにより開発者は、自分の好みやプロジェクトの要件に合わせて最適な環境を選択し、プログラム記述を行うことができます。
・日本語の関連情報の豊富さ
日本発のプログラミング言語であるため、Rubyに関する情報やドキュメントが日本語で豊富にあります。そのため、日本人のプログラマーにとって学習や情報収集を行う際に有利に働きます。
・柔軟性のあるコードの記述や変更
Rubyは動的な特性を持ち、メタプログラミング(プログラムを記述するプログラムを書くこと)が可能です。これにより、プログラム実行時に新しいコードの生成や、既存コードの変更といった柔軟性のある開発が行えます。
・コミュニティの活発さ
非常に活発なRubyのコミュニティでは、多くの開発者がアイデアや優良事例などの情報交換やコラボレーションを行い、Rubyはより豊かになっています。
・オープンソースである
Rubyはオープンソースであり、誰でも自由に利用、変更、配布することができます。これにより、開発者はRubyの導入を簡単に行うことができ、前述したコミュニティにも貢献することができます。
Rubyのシステムを支えている「Ruby on Rails」は、Rubyで記述するWebアプリケーション開発の効率向上に欠かせない、フレームワーク(よく使用する機能をまとめた骨組み)です。
エンジニアの中では、Ruby on Railsを省略してRailsやRoRと呼ぶこともあります。
Ruby on Railsでは、MVCアーキテクチャが採用され、保守や再利用がしやすいといった特徴だけでなく、その応用力の高さから、Webアプリだけでなく、Webサイト構築など、Webサービスの現場を主として、様々な分野で活用されています。
ちなみにMVCアーキテクチャとは、システム設計モデルの一つで、システムをModel(モデル)・View(ビュー)・Controller(コントローラー)に分担し、作業をそれぞれの分野で分業することによって、保守性や業務効率を上げることが出来ます。
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ここまで解説してきたRubyの特徴を活かして、実際にどのような開発が可能なのでしょうか?
・Webアプリケーション
Rubyはシンプルで読みやすい構文を持ち、Ruby on RailsといういWebアプリフレームワークを活用することで、短期間で生産性の高いWebアプリ開発を迅速に行うことができます。開発に用いられたサービスとして有名なのは、X(旧Twitte)、クックパッド、huluなどで、RubyやRuby on Railsを活用して開発されています。
・スクレイピング
スクレイピングとは、Webサイト上からデータを抽出し、加工、活用をするソフトウェア技術です。Rubyには、NokogiriやMechanizeといった強力なスクレイピング用のライブラリがあります。これらのライブラリを使用することで、HTMLページから情報を取得し、必要な情報を抽出することができます。スクレイピングは、Webサイトのデータ収集や自動化、情報の分析など、様々な用途で利用されています。
・WebAPI
フレームワークであるRuby on Railsを使用することで、効率的かつ迅速なWebAPIの開発が可能です。Ruby on Railsは、RESTfulなAPIを簡単に設計、構築するための豊富な機能を提供しており、開発者は簡潔なコードでAPIを実装し、異なるアプリケーション(外部サービス)やサービス間でデータをやり取りすることができます。
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Rubyは、プログラミング言語の中でも「Python」と比較されることがしばしばあります。
RubyとPythonどちらも共通して言えるのは、「シンプルなコード記述」を特徴としている点です。
どちらも「シンプルなコード記述」を特徴としていますが、その中でPythonは特に可読性やシンプルさを重視します。一方、Rubyは可読性だけでなく、「プログラムを楽しむこと」も含めたシンプルな記述に焦点を当てています。
また、どちらの言語も汎用性が高く、幅広い分野で活用されていますが、RubyがWebサイトやWebアプリなどのWeb開発を得意とする一方、Pythonは統計学、解析、分析や人工知能、機械学習といった分野の開発を得意とします。
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ここまで、Rubyの特徴や人気の理由、そのほかのプログラミング言語や技術との関係性などを解説してきました。
シンプルな構文で可読性の高いRubyは、その柔軟性や保守性の高さから、高品質なWebアプリケーション開発を実現することができます。また、フレームワークのRuby on Railsの使用によって、より効率的な開発も可能です。
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