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Locustを使用したDevOpsのパフォーマンステスト

出典元:Salvatore Lab

急激な使用増加や負荷への耐性があるかを確認するパフォーマンステストは、現代のソフトウェア開発で欠かせない工程となっています。特にDevOpsの概念が普及し、継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリー(CD)が求められる中で、信頼性の高い自動化されたワークフローに組み込む必要があります。

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このような課題の解決策の一つが「Locust(ローカスト)」というツールの活用です。オープンソースの負荷テストツールであるLocustを使用すれば、様々な条件下でユーザーの動作をシミュレーションでき、早い段階でパフォーマンスの課題を特定することができます。

本ブログでは、Locustの主な特徴や、CI/CDパイプラインで信頼性が高く、スケーラブルかつ高パフォーマンスなアプリケーションを実現する方法について解説します。

歴史と進化

Locustは、柔軟でスケーラブルかつPythonベースの負荷テストツールのニーズに応えるために開発されました。従来のパフォーマンステストツールであるJMeterなどと異なり、Pythonで記述されたLocustは、非常に適応性が高く、スクリプトを簡単にカスタマイズできます。また、数百万のユーザーを同時にシミュレーションできる設計となっており、軽量かつ分散型のアーキテクチャを採用することで、複数のマシンに跨るテストもスムーズに実行することが可能です。

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クラウド環境やマイクロサービスが普及する中で、Locustは分散型やクラウドネイティブアーキテクチャに対応してきました。その結果、自動化、スケーラビリティ、迅速なフィードバックループを重視するDevOpsチームにとって理想的なツールとなりました。

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従来の負荷テストツールが抱えていた課題

機能面の不具合は、ユーザー体験、システム障害を引き起こす可能性がありますが、特に不具合の発見が開発後期になると、リリースの遅延が生じてしまう可能性が高まります。

しかし、従来の負荷テストツールは、「複雑」「重い」といった課題がありました。これらの課題は、特にスピードが求められるDevOpsの開発フローへの統合において、大きな壁となってしまいます。また、現在的なクラウドベースのアプリケーションが必要とする柔軟性を十分に提供できない場合もあります。

これらの課題を解決するために開発されたLocustは、DevOpsの工程に簡単に統合できる設計となっており、リアルタイムのパフォーマンス監視、カスタムユーザー動作のシミュレーション、シームレスな拡張が可能です。そのため、アプリケーションが本番環境へ移行する前に、性能基準を満たしていることを確認することが可能です。

Locustの仕組みと特徴

【Locustの仕組み】

Locustは、リクエスト実行やタスク実行、Webアプリケーションの操作など、実際のユーザーのようにアプリケーションを操作できる仮想ユーザー作成し、ユーザーの行動をシミュレーションします。この時、仮想ユーザーの行動定義は、Pythonベースのスクリプトを使用し、自由にコントロールすることができます。

また、Locustは分散設計にも対応しており、複数のマシン上でテストを実行することが可能なため、複数の異なる場所から同時にトラフィックを発生させることができます。この機能は特に、世界中の様々な地域から同時にトラフィックが流れる状況をシミュレートする必要がある、クラウドネイティブなアプリケーションのテストで有効的です。

【Locustの主な特徴】

・Pythonベースのスクリプト

テストシナリオの定義にPythonを使用することで、柔軟性とカスタマイズ性が高まります。また、Pythonに慣れているDevOpsエンジニアにとって、使いやすいツールとなっています。

・分散型負荷テスト

分散モードでテストを実行することが可能なため、複数のマシンを活用して大規模なユーザー負荷をシミュレーションすることができます。特に、クラウドアプリケーションや大規模分散システムのテストに適しています。

・リアルタイムメトリクス

テスト中にシステムの応答時間、失敗率、ユーザー処理数といったパフォーマンスに関するリアルタイムのフィードバックを確認することができます。

・カスタムユーザー行動

ユーザーストーリーに基づいた動作をカスタムして定義できます。そのため、様々なユーザーの行動パターンやアクションをシミュレーションし、実際の利用状況に近い形でパフォーマンステストを行うことができます。

・CI/CDパイプラインとの統合

LocustはJenkins、GitLab、GitHub ActionsなどのCI/CDツールと簡単に統合することができます。これにより、DevOpsの開発サイクルの一環として自動化された負荷テストを実行することが可能です。

DevOpsにおけるLocustの活用方法

・パイプラインでの負荷テスト

LocustをCI/CDパイプラインに組み込み、コードを反映するたびに負荷テストを実行することで、パフォーマンスを早い段階で確認でき、問題のある動作を素早く発見できます。

・Locustテストのバージョン管理

Locustのテストスクリプトをアプリケーションのコードと一緒にバージョン管理することで、パフォーマンステストの変更履歴を追跡でき、一貫したテストを実施できます。

・主要な指標の記録

Locustは長期的なパフォーマンス監視には不十分なため、PrometheusやGrafanaなどの監視ツールと連携し、ダッシュボードを作成することで、長期的な傾向を可視化できます。

・定期的なテスト実施

定期的に負荷テストを実施することで、パフォーマンスの低下を早期に発見できます。

・複数地域からのテスト実施

複数の地域からの負荷をシミュレーションすることで、異なる通信速度や接続環境での動作を確認できます

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DevOpsにおける具体例

・CI/CDパイプラインへの統合

DevOps環境におけるCI/CDの工程では、すべての段階で自動化とテストを行う必要があります。そこで、Locustを開発フローに統合することで、デプロイ前にパフォーマンス基準を満たしているかを確認することができます。

例えば、新しい機能がリポジトリにプッシュされた際に、JenkinsやGitLabのようなCI/CDツールを使用してLocustのテストを実行できます。このテストでは、ユーザーの行動をシミュレーションし、応答時間やサーバー負荷などのパフォーマンスデータを収集します。ここで、必要なパフォーマンスレベルを満たしていない場合は、一度リリースを停止することも可能で、最適でないコードのまま本番環境へと移行するのを防ぎます。

・マイクロサービスの負荷テスト

マイクロサービスアーキテクチャでは、各サービスがトラフィックをどのように処理するかを個別にテストする必要があります。Locustを使用すれば、システム内の特定のサービスに負荷をかけるユーザーリクエストを生成し、単体や統合システムの一部としてパフォーマンスを分析できます。

Locustの分散型アーキテクチャという特徴は、特にクラウドネイティブのような高度かつ複雑な環境におけるマイクロサービスのテストに最適です。また、複数の地域からの負荷をテストすることで、地理的条件や遅延問題をシミュレーションし、サービスの挙動を分析できます。

・インフラのスケーラビリティテスト

クラウドベースのアプリケーションでは自動スケーリングが一般的ですが、負荷がかかった際にインフラがどの程度スケールできるかを検証する必要があります。Locustを活用すれば、急激なトラフィックの増加をシミュレーションして、スケールの仕組みが適切に機能するかを確認できます。

また、DevOps環境では、TerraformのようなIaC(Infrastructure as Code)ツールとLocustを組み合わせてスケールテストを行うことが可能です。新しいインフラ構成を適用した後にLocustを実行することで、スケールのアップ/ダウンがトラフィックの増加時でもシステムを安定させるかをテストできます。

現状の課題

・スケーラビリティの制限

Locustは分散テストが可能ですが、大きく負荷をかける場合には、大量のリソースが必要になる可能性があります。大きく負荷をかける必要がある場合は、AWS Load TestingやBlazeMeterのようなクラウドベースのツールの方が、向いている場合があります。

・スクリプトの手動作成が必要

Locustは、Pythonのカスタムスクリプトを使ってテストを作成するため柔軟性が高いですが、その反面、Pythonに慣れていない開発者にとっては学習コストがかかるため、負担となる可能性があります。

・負荷テストのリアリズム

ユーザー動作のシミュレーションが、実際の利用状況を完全に再現できる訳ではありません。そのため、より包括的にシステムのパフォーマンスを評価するには、ストレステストや耐久テストなどの他のテスト手法を組み合わせると効果的です。

今後の展望

進化を続けるLocustは、最新のDevOps環境での活用をよりサポートする新機能が追加されています。クラウドネイティブなアプリケーションやマイクロサービスが主流となる中、Locustのような分散型でスケーラブルな負荷テストツールは、パフォーマンステストの中心的な存在であり続けるでしょう。

今後は、AIを活用した分析機能の統合や、複雑なハイブリッド環境への対応強化が期待されます。また、DevOpsエコシステムの様々なツールと負荷テストがさらに統合され、開発工程の中で、リアルタイムのパフォーマンス最適化がより高度に実現できるようになるかもしれません。

まとめ

Locustは、高い柔軟性、スケーラビリティ、カスタマイズ性を備えた負荷テストツールであり、CI/CDパイプラインとの統合、分散負荷テストの実行、リアルタイムモニタリング機能などにより、現代のソフトウェア開発において欠かせない存在となっています。

Locustを活用することで、アプリケーションの本番環境での負荷耐性を向上させ、スムーズで信頼性の高いユーザー体験を実現できます。

参考/引用元サイト

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DevOpsエンジニア

この記事を書いた人

Thomas Joseph

DevOpsエンジニア

継続的改善とプロセスの合理化により、シームレスなソフトウェアデリバリーを実現します。また、コラボレーションと自動化に重点を置き、技術要件とビジネス目標を繋げていきます。

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