皆さんはiPhoneとAndroidどちらのスマートフォンを使っていますか?
国によってシェア率は大きく変わってきますが、日本におけるiPhoneのシェア率は世界の主要国と比較しても高く、特に若い世代のシェア率が高くなっています。
そんなiPhoneを使う中で欠かせないのが、iPhoneアプリではないでしょうか?
自分に必要な機能を備えたiPhoneアプリをインストールする事で、便利なスマートフォンをより便利かつ快適に使うことができます。また、企業目線ではスマートフォンが普及した現代社会で、自社サービスについてのアプリ開発に力を入れている所が多くなっています。
そこで今回は普段使っているiPhoneアプリ開発=iOSアプリ開発の裏側について、詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
iOSとは、Apple社が開発したモバイルOSで、iPhone、iPad、Macなどで動作します。OSは「Operating System(オペレーティング システム)」の略称で、コンピューターやスマートフォンの「脳」として機能し、タッチスクリーンやハードウェアの機能を活用されたユーザーの操作を理解し実行します。
iOSアプリは、そのハードウェアやユーザーインターフェースの優れた性能と使いやすさ、そしてWebアプリでは難しい機能を提供することができ、2000年初頭から爆発的な人気を博しています。まずiOSアプリについての解説に入る前に、モバイルアプリならではの機能を紹介します。
ここではモバイルアプリの種類とモバイルアプリならではの機能について解説していきます。
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モバイルアプリ開発の基本〜知識から気をつけたいポイントまで解説
【アプリの種類】
まず、アプリの種類は大きく分類すると3つあります。
・Webアプリ
アプリのインストールが不要で、Webブラウザを通じてインターネットで利用できるため、デバイスやOSに依存することなく利用することが可能。
・ネイティブアプリ
高速でパフォーマンスが優れており、デバイスの機能(カメラ、プッシュ通知、GPSなど)に直接アクセスできることで、各プラットフォームの機能を最大限に活用することが可能。
・ハイブリッドアプリ
Web技術(HTML、CSS、JavaScript)を使用して、一度の開発で複数のプラットフォームに対応できるため、開発効率が良くコストを抑えて開発することが可能。
【モバイルアプリならではの機能】
モバイルアプリならではの機能はたくさんありますが、ここでは皆さんが普段使うiPhoneアプリで想像しやすいものを代表で3つ例で挙げたいと思います。
・プッシュ通知
アプリをインストールしているユーザーに対してポップアップのような通知でリアルタイムの情報やイベントやお知らせを送信する機能。アプリを起動していなくても送信できるため、ユーザーエンゲージメントの向上に役立つ。
・位置情報
GPSなどを利用してユーザーの位置情報を取得し、近くの店舗や施設の検索、ルート案内、配車手配などを行うことができる。
・カメラと写真
モバイルデバイスにはカメラが組み込まれており、特にiPhoneで利用されることが多い。iPhoneアプリはカメラを活用して写真やビデオを撮影することができる。ユーザーは写真を加工したり、クラウドサービスやBluetoothを使用してその場で友人と写真を交換できる。
また、JIITAKのサービス紹介のページでもモバイルアプリ開発について詳しく解説していますので、そちらも参考にしてみてください。
iOSとAndroidはそれぞれ独自のユーザーインターフェース、デザイン、開発言語、開発ツールなどを持っているため、同じアプリを作成するのにも、プラットフォームによって開発手順が異なります。ユーザーにとって価値ある体験を提供するために、各プラットフォームの特性を理解し、適切な開発手法を採用することはとても重要なことです。ここではiOSアプリとAndroidアプリの違いをまとめていきます。
【iOS:Apple社】
アプリストア:App Store
厳格な審査プロセスに基づいた品質の高いアプリが提供されている。
デザイン:Human Interface Guidelines
iOSアプリの開発者がユーザーに使いやすく、統一感があり、美しいインターフェースを提供するための基準。
メリット
・ソフトウェア開発を自社で行うため、迅速にアップデート対応ができる。
・セキュリティに対する厳格な審査基準があるため、セキュリティレベルが高い。
・他のApple製品との高い互換性を持つ。
デメリット
・Apple製品は他の競合製品よりも高価な場合が多い。
・SDカードのスロットがない。
・「Human Interface Guidelines」に厳格に準拠する必要があり、デザインの自由度が制約されることがある。
【Android:Google社】
アプリストア:Google Play ストア
多様な開発者や企業が参加しており、幅広いジャンルやカテゴリのアプリが提供されている。
デザイン:Material Design
ユーザーに直感的で一貫性のあるシンプルなインターフェースを提供するための指針とリソースを提供。
メリット
・高いカスタマイズ性があり、開発者はより自由な開発が楽しめる。
・Googleが提供するリソースとツールのサポートが充実している。
・デバイスの種類が多く、価格帯も幅広い。
デメリット
・多様なデバイスメーカーやバージョンが存在するため、一部のデバイスに対応していなかったり、不具合が発生することがある。
・カスタマイズ性が高い一方で、デバイスメーカーやユーザーの設定によってデザインや操作性の一貫性を保つのが難しくなることがある。
以下のものは開発環境を整える前に最低限必要なものです。以下の4つが揃うと誰でもiOSアプリ作成が行えるようになります。
・パソコン
iOSアプリ開発はWindowsでも可能だが、一部開発できない部分もあるため、互換性が良いMacが推奨されている。また、iOSアプリはリリース時にはmacOSを介する必要がある。
・iPhone
開発したアプリを実機でテストし、ユーザーインターフェースや動作を確認する必要がある。
・開発ツール
iOSアプリ開発のために必須な総合開発環境。
・AppleID
Apple Developer Programにログインした上でApp Storeにアプリを提出し、審査を経てアプリを世にリリースするため、Appleのアカウント登録が必須となる。
開発にあたって必要なものの中で、開発ツールについてはいくつかの選択肢があります。プロダクトの開発内容や開発者のスキルに合わせて、自身で希望の開発環境やプログラミング言語を選択することができます。開発ツールと開発言語について、代表的なものを3つずつ紹介します。
【iOSアプリ開発ツール】
・xCode
Appleの公式な統合開発環境(※1)であり、iOS、iPhone、iPad、Mac向けのアプリケーション開発に特化して、開発からテストまでサポートする、デスクトップアプリやスマホアプリを制作する際には必須とも言えるメジャーな開発ツール。また、iOSシミュレータも搭載されており、実際のデバイスを持たなくてもアプリのテストやシミュレーションが可能。
※1:統合開発環境とは
別名、IDE(Integrated Development Environment)と言い、エディタやコンパイラ、リンカ、デバッカなどの開発に必要な機能を1つにまとめたソフトウェアのこと。
・Xamarin
Microsoft社が提供する開発環境。C#を使用してiOS、Android、Windowsなどの異なるプラットフォーム向けのアプリを開発することができる。また、ネイティブアプリのパフォーマンスと一貫性を提供しながら、コードの再利用と開発効率の向上を実現する。
・Visual Studio
Microsoft社が提供する統合開発環境(IDE)で、幅広いプラットフォームに対応している。C#などを使用してiOS、Android、Windowsなどの異なるプラットフォーム向けのネイティブアプリを開発できる。多言語サポート、デバッグツール、コード自動補完などがあり、効率的なアプリ開発が可能。
【iOSアプリ開発言語】
・Swift
2014年にAppleが開発し、iOSやMacアプリケーションの開発に使用され、最も推奨されているプログラミング言語。シンプルかつ直感的な構文を持ち、高いパフォーマンスと安全性を備えている。
・Objective-C
Swiftが開発されるまでは、iOS開発の推奨言語として使用されていた、C言語をベースに拡張を加えた、オブジェクト指向(※2)化された言語。Swiftと比べると複雑で難しいが、互換性がある。
※2:オブジェクト指向
コンピュータプログラムの設計や実装についての考え方の一つで、互いに密接に関連するデータと手続き(処理手順)を「オブジェクト」(object)と呼ばれる一つのまとまりとして定義し、様々なオブジェクトを組み合わせてプログラム全体を構築していく手法。
・JavaScript
ウェブ開発において主にクライアントサイドで使用されるスクリプト言語だが、iOSアプリケーション開発でも利用されることもある。特にReact NativeやCordovaといったフレームワークを使用することで、JavaScriptを使ってネイティブアプリ風の体験を提供できる。
ユーザビリティの高さと楽しいユーザー体験の提供に焦点を当てたiOSアプリの開発は、App Storeの広範なユーザーベースにアプリを提供できるため、数百万人のユーザーに届く可能性があります。ここでは、xCodeでアプリ開発する手順について解説します。
開発環境の準備
最初に開発に必要な環境を整える。iOSアプリの開発は、基本MacOS上で行われます。MacBookやiMacなど、macOSを搭載したコンピューターを用意し、App StoreからxCodeをインストールする。
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プロジェクトの作成
xCodeを起動し、新しいプロジェクトを作成する。アプリのタイプに合わせて適切なテンプレートを選択する。
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コーディングとUIデザイン
プロジェクトが作成されたら、コーディングとUIデザインに取り掛かる。決められた開発言語を使用し、デザインツールを使用してUIを設計する。
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テストとデバッグ
開発が進んだら、アプリの品質を確保するためにテストとデバッグを行う。xCodeに組み込まれているiOSデバイスのシミュレータを使用し、開発中のアプリをテストする。Apple Developer Program(※2)に登録し、実機のiPhoneでアプリの動作やパフォーマンスのテストを行うことも重要である。
※2:apple developer programとは
AppStoreに向けてのアプリケーションを開発・配信するのに欠かせないツールやリソース、サポートが含まれたサービス。また、ベータ版ソフトウェア、Appサービス、テストツール、Appアナリティクスなども利用可能。
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App Storeへの提出と審査
アプリの完成後、App Storeへの提出と審査が必要。iOSアプリをApp Storeにリリースするためには、Apple Developer Programへの登録と参加費用の支払いが必要。提出後はAppleによる審査が行われ、ガイドラインや品質基準に則しているかどうかが確認される。
iOSアプリ開発は盛り込む機能の種類や複雑さによって異なりますが、ざっくりと「人件費+諸経費」で費用を計算することができます。
・人件費=人月(にんげつ)×人月単位×開発期間
人件費はシステムを開発するためにかかる人員や工数の費用で、開発者やチームの労働力に関連する費用。開発者の人月(開発に必要な1ヶ月間の人員)、開発期間、人月単価で計算される。
・諸経費(サーバー・ドメイン代、保守運用費など)
バグ修正、セキュリティパッチの適用、ユーザーサポート、サーバーメンテナンスなどが含まれる。保守運用費は、開発者や運用スタッフの労働力、サーバーメンテナンスの費用、その他の運用にかかる費用に基づいて計算される。
・登録費
AppStoreでリリースするために必要になるApple Developer Programへの登録費用は、iOSの場合は個人開発者で年間99ドル、企業開発者で年間299ドル必要になる。
・年間手数料
サブスクリプション形式やストア内課金など、有料アプリやアプリ内課金は購入額の15%~30%の手数料がかかる。具体的な手数料率はアプリの種類によって異なる。
開発者はアプリの性質やターゲットを十分に理解することで、収益を最大化させることができます。代表的な例を5つ以下にまとめていきます。
・有料ダウンロード
ユーザーがアプリを購入するために料金を支払う1番手軽な収益化方法。初回売上が直接利益となる。
・アプリ内課金
ユーザーがアプリ内の追加のコンテンツや機能を購入する際に支払う。無料でアプリを提供し、利用者がアプリ内で自身のニーズに合ったコンテンツを選択できる。
・アプリ内広告
広告を表示することで収益を得る。無料でアプリ提供でき、アプリのダウンロード数や利用状況に応じて広告収入が増える可能性がある。
・定額課金
ユーザーは月額または年額の料金を支払い、アプリを利用できる。安定した収益を得られ、定期的なアップデートやサポートを提供できる。
・スポンサー企業
アプリに関連する企業が広告やパートナーシップを通じて収益を提供する。企業からの資金やリソースを得られることや、ブランドやユーザーの拡大に繋げることができる。
ここまでiOS開発について、基礎的な部分から開発にあたって必要なものや、実際の開発手順について解説してきました。
スマートフォンの普及とともに欠かせない存在となったアプリだからこそ、自社サービスについてのアプリ開発に力を入れている企業も増えています。特に日本ではiPhoneのシェア率が高いからこそ、iPhoneアプリに力を入れていく必要があると考えられます。
JIITAKではFlutterでの開発を強みとしたiOSやAndroidのネイティブアプリ開発はもちろん、OS問わずに端末独自の機能を利用するハイブリット開発の豊富な経験を活かしたモバイルアプリ開発を行っております。この記事を読んでいる方の中にアプリ開発に興味のある方は、ぜひ一度JIITAKまでご相談ください。