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【Dart】人気開発フレームワークFlutterを支えるプログラミング言語を解説

アプリケーション開発が活発な現代社会において、プログラミング言語は200〜300あると言われています。その中でも比較的浅い歴史ながら、人気の開発フレームワークFlutterで使用されるようになり、注目を集めているのが「Dart」です。

今回は、近年のクロスプラットフォーム開発の流行にも後押しされ、今後の発展が期待されているDartについて、誕生の背景や言語の特徴、活用されている開発などに焦点を当てて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

Dartとは?

(出典:Dart公式HP[1]

Dartとは、2011年にGoogleが開発した、高速なパフォーマンスと優れたスケーラビリティを備えたプログラミング言語です。長い間Web開発の主流言語として広く使われてきた「JavaScript」が抱えていた、パフォーマンスやスケーラビリティといった課題の改善を目指して設計されました。

Dartはリリース後しばらくマイナーな言語とされていましたが、2018年に登場したモバイルアプリ開発フレームワーク「Flutter」に使用されるようになり、大規模なプロジェクトにも対応できる高パフォーマンスの言語として注目を集めるようになりました。

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特徴とメリット

プログラミング言語Dartの特徴やメリットの中でも、代表的なものを挙げていきます。

・オブジェクト指向

Dartはオブジェクト指向のプログラミング言語です。オブジェクト指向とは、役割ごとに分割したモノ(=オブジェクト)を組み合わせて、1つのシステムを構築する考え方です。

オブジェクト指向プログラミング(OPP)は、「抽象化」「カプセル化」「継承」「ポリモーフィズム」の4つの柱から成り立っています。

Dartはクラスとオブジェクトを使用した設計により、コードの再利用性を高め、メンテナンスも容易になっています。この特徴によって、複雑なアプリケーションを効率的に構築することが可能です。

・動的型付けと静的型付けの両方に対応

Dartは動的型付けと静的型付けの両方に対応しています。

動的型付けは、変数の型が実行時に決定され、異なる型の値を扱うことができるという柔軟性があります。これにより、コーディングの際に型を明示的に指定する必要がなく、コードがシンプルで書きやすくなります。

一方で、静的型付けは、変数の型がコンパイル時に決定され、型の一貫性が強制されます。つまり、型の不一致によるエラーがコンパイル時に検出され、実行時のエラーを減らすことにつながります。型の安全性を確保し、保守性や信頼性を高めるのに有効的です。

開発者は動的型付けと静的型付けの2つから、状況に応じて最適な型付けを選択することで、効率的かつ安全にコードを記述できます。

・セキュリティ性能に優れている

強力な型システム(プログラミング言語において変数や式に特定のデータ型を持たせる仕組み)により、プログラム内のデータ操作が安全に行われ、型の不一致や誤ったデータ操作によるエラーを防ぎます。

また、静的型付けにより、コンパイル時に多くのエラーを検出できるため、エラーの発生を抑止することができます。

他にもDartのランタイム環境(プログラムが実行される際に必要な環境やサポート機能)は、サンドボックス化された実行環境(隔離された安全な環境)を提供し、不正なコードの実行を防止します。

・宣言的UI

宣言的UIによって、シンプルで読みやすいコードを実現し、UIの構造やレイアウトの理解を容易にします。また、UI要素の再利用性が高まり、開発効率と保守性が向上しながら、データとUIのバインディング(結びつけ)が簡略化され、自動的なUI更新が実現されるため、バグの発生を抑えることができます。

さらに、Flutterを通じたクロスプラットフォーム開発では、一貫したUIの実現が可能であり、ユーザー体験の一貫性も確保されます。このような特徴から、宣言的UIはDartでのアプリ開発において、生産性の向上とコード品質の向上に寄与しています。

・JavaやC#の影響を受けており、エンジニアに馴染みのある文法

Dartの文法はJavaやC#の影響を受けており、これらの言語に慣れたエンジニアにとって馴染みやすい文法となっています。そのため、JavaやC#の経験がある開発者は、Dartを素早く習得し、活用することが可能です。

・操作性がシンプルで使いやすい

Dartは直感的かつシンプルな操作性に設計されており、言語仕様が明確で、シンプルなコード記述が可能です。また、豊富なドキュメントやサポートツールが提供されているため、プログラミング経験者だけでなく、初心者も含めて誰でも簡単にDartを学び、使用することができます。

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デメリット

上記のような特徴・メリットの一方、デメリットもあります。しかし、Dartが誕生してから日が浅いために生じているもでもあり、今後Dartが発展していくことで自然と解消されていく可能性があります。

・言語自体が発展途上にある

Dartは比較的新しいプログラミング言語であり、他の主流言語に比べて開発が進んでいない面があります。そのため、機能の成熟や言語仕様の安定性について、一部の開発者や企業からは懸念があります。

・日本語の情報が少ない

Dartの日本語による情報やコミュニティが他の言語に比べて少ないと言われており、日本語圏の開発者が情報を得る際には英語の文献や海外のコミュニティを利用する必要があるため、学習やサポートの面での壁になる可能性があります。

FlutterにおいてDartが果たす役割

(出典:Flutter公式HP[2]

Flutterとは、Googleが開発し2018年に正式版がリリースされた、クロスプラットフォームのモバイルアプリを開発するためのフレームワークです。DartはFlutterの特徴を支える中心的な役割を果たしており、その役割と重要性について、代表的なものを2つ挙げます。

・クロスプラットフォーム

前述した通り、1つのコードベースでiOS、Androidだけでなく、Web、デスクトップいった複数のプラットフォーム向けのアプリケーションを同時に開発することができます。Flutterと組み合わせることで、Dartは一貫した開発体験と高いパフォーマンスを提供し、開発効率向上による開発期間短縮だけでなく、開発から保守にかかるコストの削減も見込めます。

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・ホットリロード機能

DartはFlutterのホットリロード機能をサポートしています。開発中のコード変更も即座に反映し、アプリケーションを再起動することなく、リアルタイムなプレビューが可能です。これにより、フィードバックを得て、デザインやレイアウトの微調整や機能追加・修正を行うという反復開発を、スピーディーかつ効率的に行えます。

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Dartの基本文法

ここからは、少し実践的な内容として、Dartでよく使用される基本の型を整理していきます。

【静的】

・int

整数を表す型で、Dartでは64ビットの整数を扱うことができます。整数値を代入する際には、マイナスとプラスのどちらも使うことができます。

・double

浮動小数点数を表す型です。通常、小数点以下の精度を持つ数値を扱う場合に使用されます。int型と違って、小数点以下の値を扱うことが可能です。

・String

文字列を表す型で、テキストデータを扱う際に使用されます。シングルクォートやダブルクォートで文字列を囲んで代入します。

・bool

真偽値を表す型です。trueまたはfalseの値を持ち、条件分岐や論理演算などで使用されます。

・List

リスト(配列)を表す型で、複数の要素を順序付けて保持します。また、同じ値を複数格納することができます。

・Map

キーと値のペアを格納する型です。連想配列やハッシュマップとして使用され、キーを使って値を取得したり、設定したりできます。

【動的】

・dynamic

動的型付けを示す特殊な型で、コンパイル時に型が確定せず、実行時に動的に型が決まるという特性があります。

・Var

変数の型を明示的に指定せずに宣言する方法です。コンパイラが代入された値から型を推測します。

将来性

DartはGoogleが開発したプログラミング言語であり、その強力なバックアップのもとで進化を続けています。特にFlutterという強力なフレームワークと組み合わせることで、クロスプラットフォームのアプリ開発が容易になるため、これからも多くの開発者に支持されていくでしょう。また、クロスプラットフォーム開発の効率性と市場競争力を高めるための動きから、アメリカやインドなどのIT先進国では、Dartを扱うエンジニアの数が急速に増加しています。

さらに、アプリ開発市場の成長は2030年頃まで特に著しく、その規模は400億米ドルを超えるとも言われています。この成長市場において、DartとFlutterは技術的な優位性を持ちつつ、開発者にとって魅力的な選択肢としての地位を確立しています。

このようなことから、Dartはこれからも成長し続けると見込まれ、アプリケーション開発の重要な技術としての地位を固めていくでしょう。

Dartが活用される開発

Dartは様々な開発に活用されていますが、特にFlutterを用いた開発に多く使用されています。最後に、Dartが活用されている開発をご紹介します。

・大規模なアプリケーション/サービス開発

Dartの静的型付けやオブジェクト指向プログラミングの特性により、チームでの開発やメンテナンスが容易になるため、大規模で複雑なアプリケーションを効率的に管理することができます。

・サーバーサイド開発

Dartはサーバーサイドでの開発にも使用されています。特に「Aqueduct」というフレームワークを用いて、WebサーバーやRESTful APIを構築するために利用されています。

・コマンドラインツール

Dartはコマンドラインアプリケーションの開発にも適しています。例えば、パッケージ管理ツールの「pub」や、Dart自体の開発ツールである「dartfmt」や「dartanalyzer」などといった、コマンドラインアプリケーションの開発でも活用されています。

・モバイルアプリケーションのバックエンド

Flutterと組み合わせることなく、モバイルアプリケーションのバックエンドを開発する際にも、Dartが選択されることがあります。Dartはシンプルで扱いやすい言語であり、非同期処理やHTTPリクエストのようなネットワーク操作をサポートしています。

・クロスプラットフォームアプリ開発

Flutterフレームワークを用いたクロスプラットフォームのアプリ開発に最適です。iOS、Android、Web、デスクトップなど複数のプラットフォームに対応したアプリを効率的に開発することが可能です。

・UI重視のアプリケーション開発

Flutterの宣言的UIとDartの統一された言語は、魅力的かつ高度なUIを実現します。アニメーションやカスタムUIの作成が簡単で、ユーザー体験に重点を置いたアプリケーション開発に向いています。

・Googleサービスとの統合

Dartが活用されるFlutterはGoogleによって開発されているため、GoogleのクラウドサービスやAPIとの統合がスムーズです。これにより、Googleのエコシステムを活用したアプリ開発が可能です。

まとめ

ここまで、Dartについて、誕生の背景や言語の特徴、活用されている開発などを解説してきました。

アプリケーション開発の市場は成長が著しく、その規模は年々大きくなっています。そんな中、開発に用いられる言語の中でもDartは、スケーラビリティやパフォーマンス、セキュリティといった多方面にわたって評価されています。

特に注目のきっかけとなった、開発フレームワーク「Flutter」で使用することで、そのメリットを最大限に発揮することができます。

JIITAKでは、プログラミング言語「Dart」に対応し、Flutter開発を強みとしています。Flutter公認のコンサルタントの認定を受け、豊富な経験や知識をもとに開発だけに留まらず、戦略的な企画・設計や継続的なサポートを行うことで、Flutterアプリ開発の効果を最大化するお手伝いをします。アプリケーション開発でお困りごとのある方は、ぜひ一度JIITAKまでご相談ください。

参考/引用元サイト

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