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日本のUI/UXデザインに対する理解とアプローチ方法は海外と異なるのか?

みなさんは普段、スマホでどんなことをしますか?

デジタル化が進む現代社会で、何か情報を得たり、商品を購入したり、サービスを利用したりなど、日常生活に必要なものはほとんどスマホに詰まっているかと思います。

総務省が行った、デジタルデバイスの利用時間の調査でも全世代年々利用率が上昇しており、スマホをはじめとするデジタルデバイスの利用が日常生活の一部になっていることが窺えます。そんな普段当たり前に見ているアプリなどのデザインにも、見やすさや使いやすさの工夫が施されていることをご存知でしょうか?そのデザインがユーザーの獲得を大きく左右することもあると言われています

そこで今回は、デザインの中でもUI /UXデザインに焦点を当てて、デザインの特徴や、日本と海外の理解の違い、実際にデザインをする際に重要なポイントを解説していきます。UI /UXデザインに興味のある方や、プロダクト開発・リニューアル検討中の方にはぜひ読んでいただきたい内容になっています。最後までご覧ください。

 

目次

1.デザインの種類と定義
2.UI/UXデザインの特徴
3.UI/UXデザインの国による理解とアプローチ方法
4.日本と海外のデザインの特徴や違い
5.UI/UXデザインを進める上で重要な点は?
まとめ

 

デザインの種類と定義

デザインは、社会背景や文化の影響を色濃く受け、様々な種類が誕生してきました。現代においては、一言にデザインと言っても、UIデザイン、UXデザイン、Webデザイン、グラフィックデザインなど様々な種類があります。ここではIT業界で使用される主なデザインを紹介します。

 

・UIデザイン

UIとは、ユーザーインターフェースの略で、ユーザーとシステムを繋げる部分を指し、主にソフトウェアやアプリにおいて使用されています。見た目重視の細かい煌びやかなデザインではなく、機能性・操作感・視覚的な要素などユーザビリティに重点を置き、ユーザーがシステムを直感的に操作できるようにすることを大切にしています。

 

UXデザイン

UXとは、ユーザーエクスペリエンスの略で、プロダクトやサービスを使用する際に得る総合的な体験のことを指し、UIと同じくソフトウェアやアプリのデザインで重視されます。目的のアクションを迷うことなく達成できる、また利用したいと思う、使いやすい、ユーザーのニーズを満たしているなど、プロダクトに対するユーザー体験を向上するために必要な概念です。

 

・Webデザイン

Webデザインは、主にWebサイトのデザインのことで、主にホームページ、ブログ、ニュースサイトなどで使用されます。Webデザインは基本的にユーザーが情報を閲覧することを目的としているため、レイアウト、カラースキーム、ナビゲーション、フォント、コンテンツの配置、レイアウト、ブランディングなどの見た目を重視しています。

 

・グラフィックデザイン

グラフィックデザインは視覚的なインパクトを与えることを目的としたデザイン分野です。印刷物、広告、ロゴ、パッケージデザイン、イラスト、アプリのチュートリアルの画像などで使用されています。イラストを使用せず、文字を使用するタイポグラフィのみで情報を伝達する場合もあります。

 

UI /UXデザインの特徴

先ほど挙げたデザインの中でも、UI/UXデザイン分野は比較的新しく、従来のデザインとの違いがいまいち掴めないという方も多いかと思います。しかしUI/UXデザインはシステム開発において非常に重要な役割を果たしているので、理解しておきたいポイントでもあります。UI /UXデザインの重要性に関しては過去のブログ(『UX/UIとは?言葉の意味や違いとその重要性』)で詳しく書いてますので、ぜひそちらもご覧ください。

ここでは、UI/UXデザインとWebデザインを比較し、それぞれの特徴を見ていきます。

 

・Webデザイン

Webデザインは「装飾美」を重視したデザインです。これはWebサイトやモバイルアプリの外観や視覚的な要素に焦点を当てたデザインであり、カラー、フォント、レイアウト、グラフィックなど、ユーザーに視覚的な印象を与えるものです。

 

・UI/UXデザイン

Webデザインの装飾美と比較して、UI/UXデザインは見た目だけではなく、「機能美」を重視したデザインです。UI/UXはユーザーがプロダクトを使用する際の「操作感・使いやすさ」も含めた総合的なデザインのことを指しています。

 

UI /UXデザインの概念が広まりを見せたのは、スマートフォンの普及が影響していると考えられます。スマートフォンが普及する前はWebデザインの装飾美が重視されていましたが、スマートフォンが登場してからは見た目だけではなく、機能性や使いやすさも含めたデザインが非常に重視されるようになりました。また、現在ではスマートフォンを使用するユーザーが急増しているため、モバイルデバイス向けの体験を重視する「モバイルファースト」が重要視されており、サイト体験を最適化するために、モバイルファーストデザインを採用することも多くあります。

 

UI /UXデザインの国による理解とアプローチ方法

前述した通り、デザインは社会背景、文化、色彩感覚、目的へのアプローチ方法、国民性、価値観、美的感覚などにより異なる特徴を持っています。中でも定義が広いUI/UXにおいては、今まで日本と海外で理解やアプローチ方法が異なりました。

しかし近年では日本のデザインも海外の理解へと変化しつつあります。それぞれの特徴を理解した上で、プロダクトが利用される国や文化に合わせてデザインを最適化していく必要があると言えます。

この特徴を理解するのに良い例が、「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」という概念です。社会人類学者であるエドワード・T・ホールによって1970年代に提唱された概念で、異なる文化間のコミュニケーションの特徴を分析し、その違いを理解するための概念としてハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化が提唱されました。これらの概念は異文化間のコミュニケーションの障壁を理解し、相互理解を深めるための道具として広く受け入れられました。以下で詳しく説明していきます。

 

・ハイコンテクスト文化

ハイコンテクスト文化では、人々は暗黙の了解や文脈を重視して情報を伝えます。前提となる知識や文化が多く、直接的な表現よりも間接的な、行間を読むようなコミュニケーションを取る傾向にあります。ハイコンテクスト文化が多いのは一般的にアジア、アフリカ、ラテンアメリカと言われており、日本のコミュニケーションは世界で1番ハイコンテクストであるという見解もあります。確かに日本人は空気を読み、既に出来上がった暗黙のルールに従うようなコミュニケーションの取り方が多いかと思います。

 

・ローコンテクスト文化

ローコンテクスト文化はハイコンテクスト文化と対照的で、具体的な言葉や明確な表現が重視されます。直接的で効率的なコミュニケーションであり、前提となる知識やカルチャーがなくて情報が伝わるよう情報が明瞭かつシンプルに、直接的な言葉で伝えられます。この文化では、言葉や表現が明確で、文脈や背景知識の理解は必要ありません。ローコンテクスト文化は主に西洋諸国、ニュージーランドなどで見られます。

 

日本と海外のデザインの特徴

ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化は、日本と海外のデザインの違いにも影響しています。以下で、実際のサイト画面を見ながら解説していきます。

 

【日本のデザインの特徴】

・ナビゲーションや階層、サイトマップの分かりやすさや利便性に注力している

・レイアウトや情報の密度が高い傾向にある

・多くの役立つ情報が整理されて掲載される

・説明文が多く、ユーザーに多くの情報を伝えることを重視している

 

例:JTBのWebサイト